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『紳士探偵L~魔都・上海の事件録』

3話ずつ完結という珍しいスタイルの本格推理ドラマ。

あ~羅非(ルオ・フェィ)探偵ロスになってしまいました。でも大丈夫、シーズン2がありそうです。


シャーロキアン始め、クリスティや古典的本格推理が好きな人はニンマリしながら楽しく見られます。

『まだらの紐』その他のミステリへのオマージュも入ってますよ。


とにかく、1930年代の戦前上海の租界のセットが素晴らしく、映像もスタイリッシュで、濃い霧につつまれた夜のシーンは、19世紀のロンドンをほうふつとさせます。バイ・ユー君は、すでにスターですが、私はヒロインのヨウ・ジンルーちゃんと共にお初でした。

ダンスホール、日本や外国の文化の流入と抑圧、ファッション、犯罪、まさに探偵が活躍すべき、エキゾチックな舞台がそろっています。バイ・ユー君は、上海のホームズというには、魅力的すぎるのですが(ホームズ的キャラは、かなり変人で人との関わりは好まないで自分勝手なので)この探偵を演りすぎることなく、過不足なく演じています。

ヒロインは初の女性刑事という役どころを元気につとめています。キム・ソヨン似のきれいな女優さん。ワトソン役は、アメドラの『エレメンタリー』のように女性の方が良かったりしますね。


探偵自身も未解決事件に捕らわれていますが、大物の黒幕というのも実際は誰なのかよくわかりません。次々と殺人事件が起こりますが、探偵の鋭敏な推理がさえていきます。いわゆる「嵐の山荘」設定(帰る道が遮断され、殺人者を含む招待客みんなが大きな屋敷に閉じ込められるパターン)の事件もありますし、推理物としても、警察の仲間たち、美人の大家さん(ハドソン夫人の代わりですね)などのキャラクターもとてもよくできています。

原作者の名前が脚本にもあったので、脚本にたずさわっているから、よくできているのかもしれません。

前評判を知らずに見たドラマですが、素晴らしいエンターテインメントでした。

9.5点です。


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