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『未来を花束にして』(映画)

タイトルがわけがわかりません(笑)まあ、女性が未来のために戦うイギリス映画ですが。

結論から言うと映画としても素晴らしいです。脚本がいいです。『マーガレット・サッチャー』の人。

原題はサフラジェット。女性参政権運動家のことです。

この映画の一番良かったポイントは、有名な運動家が主人公じゃないこと。エミリー・デイヴィッソン(殉教者と呼ばれていて。この人の犠牲のおかげで、運動が盛り上がった。YouTube なんかの参政権運動の映像にみんながユリもって行進しているシーンはこの人のお葬式)も出てきますが、この人達と行動をともにした、名も無い、全く教育を受けたことがない、子供の時から洗濯女をしている人がヒロイン。

キャリー・マリガンは演技派です。ギャツビーのデイジーもやっていましたし、舞台にも出ているようです。

労働者階級の劣悪な環境でひたすら働き、セクハラにも耐え、でもかわいい息子がいる若いママ。

でも、その息子とも一緒にいられなくなります。

ローブレイカー(法を破る人)と警察や権力者に言われ、ローメイカーになるんだ!って叫ぶところ。脚本、ほんと、うまいです。

ヘレナ・ボーナム・カーターや、メリル・ストリープなど大御所も出て場面を引き締めますが、とにかく、このヒロインが強そうじゃなく強い。そのしなやかさが心を打ちます。

社会主義運動、独立運動、民主化運動、学生運動、そういうのがテーマの映画に出てくる、官憲と戦うシーン。警察に尋問されるシーン。必要以上にエグくは描かれていません。女性の監督、サラ・ガヴロン、そのあたり、女性が中心に見る映画として考えているのでしょうか。

いい意味でも悪い意味でも普通の、思想なんてほど遠い主婦が、時代の波にのまれた形で運動に参加して行く様子は、怖いけどちょっと羨ましい感じもします。大変な時代に苦労してくれた、先輩の女性たちのおかげで私たちが好きな生活、仕事を今やっているわけですが、私個人は、70年安保の時代には学生ではなく、ウーマンリブ運動の時にもまだ子供で、そういう熱い時代に大学生だったら良かったなと思ったりします。

もちろん、本当はアクティビストにはいくつになってもなれますが。

この映画の主人公も大して運動のことわかってない段階で警察に捕まって、近所の人に変な目で見られて・・・・とどんな運動でも、ちょっと過激でアブナイ人と特別視されて、普通の生活が送れなくなります。

そういう意味で、日本人は、平和運動やデモやアピールがへたというか、苦手ですね。

日本人にとってはかなり勇気のいることです。

女性参政権運動が商業映画になる・・・・いい時代になりました。

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