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地球ゴージャス公演『ZEROTOPIA』(辛口かもしれません)

岸谷五朗さんはさておき寺脇康文さんはダンスも歌もできないのに、二人でミュージカル劇団を立ち上げたと聞いて、不思議な感じでした。テレビの舞台中継で見た、星の大地に降る涙と海盗セブンは、基本ファンタジーで平和と愛と夢とエコロジーがテーマかなと思っていたら、やはり、今回のゼロトピアもそれがコアな部分でした。

アメリカドラマのLOSTみたいに遭難した人達が、不思議な島で自分の過去に向き合わされるという、キャラが立っている登場人物が辛い過去を見えない力のせいで、語っていく。でもこの見えない力は結構すぐ、岸谷さんの登場で見えてきます。

あまり斬新とは言えない設定とテーマですが、岸谷さん流のスパイスはきいています。座付き作家のいいところは、誰にどの役と考えて、脚本が書ける所で、8人の遭難者達は、ガラにあった役どころで、とても面白いです。西川貴教くんの歌声は強力な助っ人でした。彼は舞台も慣れてるし、お芝居も上手ですね。

もう一人の助っ人、柚希礼音さんに関してはちょっと彼女のパワフルな魅力を活かしきれてなかった気がします。岸谷さんは宝塚をたくさん見てるはずなんですけどね。

コーラスの人達は、ダンスも立ち回りもよくお稽古が入っている感じで良かったですが、なんか、泥臭い(笑)

昔、柴田恭平さんがいた、東京キッドブラザーズは、青臭かったけど、ここの劇団は泥臭い。そして、きっとそれがすごく魅力なんだと思います。

メッセージ性の強い演劇集団と違って、ミュージカルでエンターテインメントの場合、エコロジー(「地球は人類のものじゃない!」とか・・・)を打ち出すとちょっとすべりやすいですね。昔、宝塚でも『テンダー・グリーン』(花組で、真矢みきさんが下級生の頃)ってエコとヒューマニティがテーマなのがあったけど、全然良くなかったです。

たぶん、このお話は、それぞれがトラウマを抱えているので、それとどう向き合うとか、仲間とどうシェアするのかとか、今日的なテーマなので、そこを掘り下げればよかったと思うのですよね。

まあ、ここの劇団は、冒険活劇風な部分が必要なので、平和とか悪者が必要なのでしょうけど。悪者さんの部分がこれまた、泥臭い。それも岸谷さんが、になっているので、とても達者な感じで面白いんですけどね。

劇団新幹線の場合は、バイオレンスと歌舞伎風という路線があるので、ラブを描いても、正義を描いてもそんなにこそばゆくならないで、リアルです。そのかわり、みんな死んじゃったりしますが。

エンターテインメントのお芝居、ミュージカルって、もう最後は好き好きですね。

こむずかしい小劇場のお芝居、新劇(ジロドウ・サルトル・シェークスピア)もいまだに大好きですが、やっぱり、エンターテインメントは、劇団四季と宝塚ですね、私は。(とりあえず、商業演劇の王道ですから)

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