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『キング』(映画)


ティモシー・シャラメはとんでもない俳優らしい。若さゆえに悩める、そして美しいプリンス・ハル、ヘンリー五世を演じ切っていた。フランス語がうまーい!と思ったら、お父さんはフランス人で、アメリカとの二重国籍とのこと。アカデミー主演男優賞にもノミネートされたのだから、既に有名な俳優さんなのを私が知らなかっただけ。

『キング』は、Netflixが協賛し、主にネットで配信される映画なのだけど、戦闘シーンなど壮大で映画館で観て充分楽しい。関西では、梅田シネ・リーブルで1週間しか上映しないのはなんとも残念な気がする。シェークスピアの『ヘンリー四世』と『ヘンリー五世』をもとに作られた映画。

平和、政治、主従の仲など、シェークスピア劇を換骨奪胎し、21世紀風に味付けしてあるので、こんなのシェークスピアじゃないと言う人も多いだろう。でもそもそも中世イングランドの乱世をルネッサンス時代風に解釈したのが、シェークスピア戯曲だから、その時代に応じてアレンジもありだと思うのだ。

プリンス・ハルとフォルスタッフのコンビ(バディ)はシェークスピアの登場人物の中でもお気に入りな人が多いだろうし、放蕩時代はあまり描かれないが、友情は現代的にしっかり描かれているので、この2人のキャラが好きな人は楽しめるはず。

ティモシー・シャラメのナイーブな演技は上手くて、戸惑いの中王座につく若き王の理想とその成長を、説得力ある感じで見せてくれたけど、最後にちょこっと登場する、フランス王女のジョニー・デップの娘、リリー・ローズも存在感があった。ググると、この2人は交際中ということだ。

とにかく地味だけどいい映画で、2時間20分があっという間だった。

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