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『Mother』

これはとんでもない作品です。日本の有名な脚本家(『東京ラブストーリー』はじめ・・・)坂元裕二の作品で、2010年放送されて話題になったらしいですね。きっと子役の芦田愛菜ちゃんも上手だったのだろうと想像できます。

しかしながら、このドラマのキャッチコピー、「母性は女性を狂わせる」というのを見ていて、日本のドラマのあらすじを読んで、えらく暗くてじめっとしてそうで視聴がしんどいかもと思い、ビデオをいつものお友達に借りていたものの、ちょっと置いていました。

やっぱり見て良かった! 日本のもそうなのかどうかわからないけど、韓国版は、エンターテインメントを超えています。文学作品並みのクオリティです。

イ・ボヨンさんも最近くせのある作品にしか出ないですね。普通のラブコメは飽きたのでしょうか。

ドラマのオープニングのクレジットもこのドラマに登場する様々なオンマの女優さんのみです。

申し訳ないくらい男優さんはクレジットにも出ないし、本当に脇役のみなのです。

母子(ははこ)ものなんて、昔からあったり、日本でも昭和の映画の一つのジャンルだったわけだけど、このドラマは、古くて新しい、母性と犠牲というものがテーマです。母になって初めて(まあ父になって初めてもしかりですが)娘としての自分も振りかえれるというのもモチーフ。昭和の、自分の恋か子供かなんていうのはさすがに古臭いけど、オスカー・ワイルドの『ウィンダミア卿夫人の扇』なんて、100年以上前の戯曲ですが、これもまさに母性と犠牲がテーマですね。

そこに母になることとは、なっていくこととは、という視聴者の心をぐっとつかむ内容が入っています。

とにかく、ほぼ毎回泣かされます。逃亡期間も長いので、ハラハラドキドキですし。

2日でイッキ見したので、もうこの世界にどっぷりでした。

素晴らしい作品です。雪がしんしんと降る山寺までおんぶして上って行く主人公。海を見つめている親子。ロケも美しいのです。列車もセマウル号なのでしょうか。なぜか風情があります。

それにしてもおばあちゃんたちがすごい。イ・ヘヨンさん、『ごめん・愛してる』のお母さんはもとより、きれいで怖いお母さんばっかりのイメージだけど、今回はもう圧巻です。女優のお母さんというのがぴったり。もう一人ナム・ギエさん。この人もよく出る脇役さんですが、いい味です。

主人公の姉妹のストーリーはきっと日本のものより濃いと想像するのですが、これも面白い。とにかくよくできています。最後の2回は、ちょっと冗漫だったかもしれません。でも情感たっぷりです。

このドラマ、10点にしたいと思います。

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