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『シーシュポス:The Myth』

このドラマの製作者は、カミュの『シジフォスの神話』を意識しているのでしょうか。辻褄合わせが問題じゃないところは似ているかもしれません。

ネットフリックスは、韓国作品を押していくということで、この壮大なドラマも作られました。ネットフリックスでも配信されています。

完全に映画の域ですが、韓ドラは、ドラマもすでに壮大な映画の域に達しているのでびっくりはしませんでした。

巨大な岩を山の上まで上げる罰を受けるのだけど、何度も落ちてしまい、永遠の罰を受けている神話のキャラ、シジフォスがモチーフらしいのですが、主人公もそうでない人たちもSF的解釈でいくと無限ループに落ちているのでしょうか。


ただ、このドラマのすごい所は、いわゆるディストピアもの(核戦争後荒廃した町が背景)の暗さに落ち込まず、現代がメインの舞台であり、タイム・パラドックス(過去に行く時間旅行者が自分に遭遇した時どうなるかとか)をそんなに複雑に描いていないと言うことです。

スケールは大きいのにけっこうわかりやすい娯楽にしているのが逆にすごいと思いました。私は、ターミネーターやブレードランナーなどの、ディストピアSFがすごく好きなので、ハマりましたが、そういうのがあまりお好みでない方ははまれないかもしれません。


チョ・スンウ、パク・シネ、ソン・ドンイル、キム・ビョンチョルなど、大作に遜色ない俳優さんたちの演技がすばらしいですが、2番手くんに抜擢された、チェ・ジョンヒョプ。ブレイクしたと言ってもいいのでしょうか。私は、そうでもないと思いますが、背は186cmだし、まあ魅力は無くもないです。


ジェンダー平等に敏感になってきた韓国エンタメ界が作り出した、女性のヒーローとしてパク・シネはすごく頑張っています。『エイリアン』のシガニー・ウィーバーが登場した時度肝を抜かれましたが、パク・シネちゃんは、ヘアスタイルも普通に長くてかわいいし、悲惨で壮絶というところまではいきません。お茶の間で見られるディストピアSFというのもある意味すごいジャンルです。


こういうSFが好きな理由は、つきつめた自問自答(自分はどうあるべきか、何をなすべきか、どこへ向かっているのか)と、ヒロイズムと愛がぎゅ~っとつまっているからです。悲壮感が漂いすぎると疲れますが、このドラマはそこまでではないと思います。

ということで、9点つけます!


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