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『悪の花』

これは、すごくよくできたハイブリッド・ジャンルのドラマです。上手く驚かせてくれるミステリと深いラブストーリーとちょっぴりホラー風味を混合してあります。

それのどの部分も丁寧に創ってあるという、珍しくて素晴らしいドラマです。韓ドラの制作会社やスタッフ、脚本家ってすごいですね。

脚本はまだまだ新人と言われているユ・ジョンヒ。この人は、大好きな『裸の消防士』というミニシリーズ(2話だけ)を書いた人。ウェルメイドな筋運びを作ったと思いました。ミステリではトリックや勘違いやミスリードが必要ですが、テレビなどの場合はそのあたりずさんな時もあります。でもこのドラマでは、(ネタバレにはなりませんが)なぜ、ト・ヘスがジャケットをその時来ていたか、それは、その前の事件でブラウスが破れていたから・・・とか、本当に後から考えると、スムーズになるべくつっこまれないように、流れよくお話を組み立ててあります。

すごく時間をかけて練ったシナリオなのでは?と思わせます。


それにしてもtvN局らしい暗~い画面ですね。

ドラマの紹介が、「14年間を共にしてきた夫がサイコパスの連続殺人犯だったら?」と書いてあったのですが、私はこのキャッチコピーがイメージするドラマとちょっと違っていると思いました。

見た方はどう思われるでしょうか。


とにかくロマンチックですから。『クリミナル・マインド:KOREA』コンビ、イ・ジュンギとムン・チェオンが主人公カップルですが、二人ともたくさん、メインを演じていて、がっつりいいお芝居をしています。

ムン・チェオンの警官仲間の脇役も悪役チーム(?)の人たちもいいキャストです。


そして、やっぱり他のサイコパス、精神障害、疾病のドラマ(けっこう2019,2020は、韓ドラで多かった)と同じ問題、考えさせられるテーマがあって、周りの家族、親しい人たちはどうするべきか、知らない人たちはどう扱うか、そういうことを問いかけてきます。


このドラマはそういうシリアスな内容とロマンスが本当にうまく融合していると思いました。ただ重いだけだと、エンターテインメントとして受け入れがたくなりますから。そういう意味で、『サイコだけど大丈夫』といい、このドラマといい、韓ドラはタブーに取り組んでもうまくまとめていると思いました。9.5点です。


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