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『私たちのブルース』

スタジオドラゴン制作、tvN局、ネットフリックス同時配信のヒット作の一つ。

すごいですね。スタジオドラゴンは、前年比営業利益が95%アップらしいです・・・

まあ、次々メガヒットを重ねていますからね。


このオムニバスタイプの済州島を舞台にした群像劇は、ブルースというタイトルがしみじみ沁み通るような人生を紆余曲折重ねてきた大人に見てほしいドラマです。まさにブルースの歌詞のように、「なんでこんなに俺は運が悪いんだろう・・・」とやけになったり、うらみごとを言ったりしたくなるような状況のアラフォーの同級生が主人公たちなのですが、本当にそれぞれのオムニバスの話が恋愛がメインとはいえ、家族や仲間とふるさとの存在とあいまって素晴らしい展開になっていきます。基本的に明るい感じではありますが、苦くてシビアな話もあります。


スターがたくさん出ていますが、シン・ミナと彼女の長年の恋人で久々のドラマ出演キム・ウビンの共演が注目されました。もちろん相手役ではないのですが・・・

シン・ミナの相手、イ・ビョンホン様は、すごく田舎臭い役をめっちゃリアルに演じてます。その他、もうソウルでは見られないような韓国昔ながらの、「オルシン(年配の人)」を町全体で大事にしたり、同級生のためなら人肌ぬいだりという場面が展開していく中、40代の俳優さんならではの、最近の韓国っぽくない言い回しや情が上手く演じられます。どの俳優さんも素敵でした。


こういう群像劇は最初がなんか、入り込めないというか、うまく導入されない場合もあると思うのですが、このドラマはそのあたりが上手です。謎を持ったよそから来た女性がいたり、ソウル出身の人がいたり(まあ、みんな取り込まれていくんですが)もちろん、均質な人々が集まっているだけではないのですが、とにかく魚市場の人たちはみんな暖かいです。

そして、秀逸なのは、イ・ジョンウンさん。『パラサイト』以来使われすぎ!とは思いますが、このドラマにはなくてはならないキャラです。すごくパワフルで済州島の女の人ってこんな感じかなあと思わされます。海女のおばちゃん、おばあちゃんたちもすごくいいキャラですけど。


素晴らしいドラマだったと思います。同じ脚本家の『マイ・ディア・フレンズ』も傑作でしたが、こちらも同じテイストとはいえ、また違う要素を盛り込み秀作だと思います。


9点にします。




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