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『十二夜』@日生劇場

 シェイクスピアで最も好きな作品、十二夜、ジョン・ケアード演出なので、エンターテインメント性が強かったかな。

いい意味でテンポよく、今風に仕上がってました。ジョン・ケアードは、レ・ミゼラブルの演出で有名だけど、日本のミュージカル女優と結婚してるから、日本の作品も手掛けるのでしょうか。こういうスタッフと俳優さんの間に入る通訳の仕事なんてしてみたかったですねえ。

 ヴァイオラは、もと宝塚トップスターの音月桂。昔大地真央が何度もセバスチャンと両方やってたけど、それを思い出します。双子の兄、セバスチャンも男役風に難なく演じてました。でも・・・・・・最後二人が会う時、(これがこの作品で演出がまったく異なってしまうところですが)一人の女優が演じてる場合難しいのです。

今回、真瀬はるか(もと花組男役)が背中を見せながら音月桂とくるっと回りながら(説明が難しいけど)、同じ衣装を着て出てきて、音月桂が、最後までヴァイオラとセバスチャンの両方のセリフを言うのです。

ちょっと、笑いがもれてたけど。

変わった演出だけど、私はこういうの嫌いじゃないかな。

 宝塚で『十二夜』をやったとき、ヴァイオラが娘役さんで、男に扮して、それにオリヴィアが恋するというのが無理な感じがした。映画では、イモジェンなんとかが演じてたけど、それもちょっと女の子っぽかった、ひげつけてたけど。

 シェイクスピアのエリザベス朝では、女役もすべて男の子が演じてたから、逆にそこはおかしくなかったと思うけど。

そんなわけで、このヴァイオラは、宝塚の人がやるのが一番ですね。でも、かわいい人であってほしい。

ひたすら、オーシーノ公爵を思うせつないいい役だから。

 オーシーノ公爵はあまりしどころはないと思うけど、かっこよくないとね。というわけで、私がファンである(だから観に行ったのですが)小西遼生くんが演じていて、ちょっぴり歌声も聞かせてくれた(ミュージカルではありません、今回)ので、満足です。

 でも、今回脇役がすごーーく良かったのですが、その中でも石川禅さん・・・・・なんで、サーアンドルー?

マリウス、ジャベール、フランツ皇帝陛下の禅さんが・・・・・・・・まあ、でも50歳になられるのですね。

それにしても、うまい!やっぱりもと文学座、青年座だなあって、思う。シェークスピアのセリフを普段しゃべってるがごとく、すらすらとしかも滑舌よくわかりやすく(一番わかりやすく発音されてました)語っておられました。

この貴族すごくへんてこなんですよね。

 貴族の御曹司がへんてこで、ピエロ(あほう)が頭がいいというのが、このシェークスピアらしい皮肉なところ。

個人的にFoolという職業をあほうと訳すのはどうかと思います。もちろん、新訳の1つ、松岡さんの翻訳はなかなかいいと思うのですが、リア王やいろんな劇に出てくる、宮廷のジェスターとかフールは、ピエロという日本語のほうがよくないですかねえ?

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