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『ボーイフレンド』

このドラマの監督さん、パク・シヌの感性に感動です。キューバでの主人公二人の出会いの場面も素敵だけど、とにかく、繊細で、身体のすみずみまでの表情、一つ一つのカットの美しさを追求してる感じ。

別にキューバ以外は大した場面は無いのに、本屋さんとか、フィルムの現像とか、デジタルじゃない一眼レフカメラとか詩集の引用とか、小道具がアナログでそれが情緒たっぷりなのです。

パク・ボゴム君もすごい俳優だなあと思います。この監督さんの注文に十二分に答えている感じです。表情が微妙に変わる愛を表現しているし、ただの正統派メロドラマを特別な作品にしています。『雲が描いた月明り』での王様はまあ誰でもやれる役だったかもしれないけど、『恋のスケッチ~応答せよ1988』ではすごく神経質で難しい役をやっていて、ただものじゃないと思っていましたが、このドラマでさらにそれを証明した感じです。清廉潔白で(ある意味ありえない)どこまでも純粋なこんな役って、男優さんはあまり演じたくないのでは?と思うほどですが、もう、素敵以上です。

ソン・ヘギョちゃんは、年齢差を感じさせないくらいきれいで、でも年なりの威厳がある社長さんでかっこいいです。彼女はあまり上手だという印象は無いですが、繊細にていねいに演じていたと感じます。

年の差、社会的地位の差、財閥と素朴な果物屋さんの家族と、よくある主人公二人の障害はいろいろあるのですが、それの乗り越え方が、このドラマ独特です。

交通事故も記憶喪失も衝撃的なことはあまり起こりませんし、中だるみが起こりそうですが、全然起こりません。次々にさくさく見られます。脚本も素晴らしいのでしょう。言葉というものの重み、威力にも驚かされます。脚本家、ユン・ヨンアさんは『キレイな男』も『タンタラ』もあまり面白いと思えませんでしたが、これで大成功を収めたのではないでしょうか。

実は20年前まではラブ・ストーリーは、映画もドラマもほとんど見なかったくらいあまり好きじゃなかった(宝塚以外)のに、韓ドラはこういうすごい作品があるから、感心します。でもいつものお世話になっているお友達に借りなかったから、見てなかったかもしれないドラマなので、毎度おなじこと言ってますが、感謝です。

ということで、9点つけたいと思います。

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