ただ愛する仲
悲しく貧しく美しい、なんかまさに「クニャン(ただ)」美しくロマンチックなストーリー。
でも、もちろん、設定は、あるビル崩壊事故の被害者、加害者、PTSD、精神的負い目と厳しい現実の話。
登場人物が背負っているものが重いので、見ている人はちょっとしんどいかもしれない。
でも、私は、なんとなく昭和な感じが好きでした。ヒロインの実家も銭湯で、なんか昭和だし、ジュノ君の住んでるところ、あやしい医療行為をするおばあさんとの交流とか、ちょっと古臭いのだけど、いろいろ、いとおしい感じの古さがある。
ジュノ君は足をひきずっているし、心の傷が測り知れないのだけど、ちょっとコミカルな感じもあって、かなりかっこいい。
ヒロインは初めて見る人でした。ウォン・ジナというほとんど初めての役づきらしいです。
イ・ギウは、背が高いから、ウォン・ジナの倍くらいあって、ちょっと釣り合わない。でも素敵でした。
『秘密』の脚本家、ユ・ボラという人の脚本らしいですが、痛い感じで暗い、心の傷を表現するところが共通してます。でも、ロマンチックで繊細なところ、罪悪感と癒し、許し、記憶、そういう文学的なテーマをけっこうちゃんと追及していると思いました。
実際、その事故でどういう経験をしたのか、語りえない、しかし、語ろうとすることによって乗り越えたり、癒されたりする、ヒューマンドラマです。
主人公二人の絆は本当に他の人にはわからないそれという感じで、素敵でした。
8.5点にします。