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『WATCHER<ウォッチャー>』


なかなか重厚な刑事ドラマでした。画面はOCN局らしく、かなり暗い。でもスタイリッシュ。

その回によって違うのですが、何分かたってから、主要人物がカメラの方に歩いているところで、画面が静止して「WATCHER」と大きく白いシンプルなフォントの文字が出ます。

毎回終わりは、キャストとスタッフの名前が、映画とそっくりな感じで黒のバックに白い文字で、一人ずつざ~っと流れていきます。韓国のドラマの最後によくある、スポンサーのロゴがいっぱい出る画面がありません。

だから、最後もとってもすっきりしていてかっこいいです。

ハン・ソッキュさんは『ドクター・キム・サブ』以来です。目の細いオジサンなのに、なんか息の多いつぶやくような台詞なのに、すごい存在感です。演技が深いですね。女優さんは、キム・ヒョンジュ。若いですねえ。全然変わらないです。こんなすごい二人と共演でソ・ガンジュン君大丈夫なんでしょうか、と思っていたら、やってくれました。殻を破ってくれたというか、もともと上手な人ではあると思うので、思いっきり演技とアクションを披露してくれた感じです。

その代わり、メイクとか衣装がすごく地味。いつもサイボーグみたいにきれいなのに、顔がいつもより普通な感じです。

舞台は警察内の監察部。ときどきドラマでも出てきます。時代劇でもトンイさんがこの監察部に入っていました。文字通り監督して観察して、不正が見つかるとどんな偉い警官や検事でも捕まえるので、嫌われ者です。

すばらしく正義感を持ってバシバシ悪い警官を暴いていくというドラマではありません。登場人物の誰が正しく、誰がごまかして嘘を言っているのか全然わからないのです。

最近の刑事ものらしく、主人公たちの過去に関わる事件が起こってきて、人間関係や自分のアイデンティティを見直せとつきつけられます。

韓ドラの刑事ものを見ていて謎なのは、家族が刑務所に入っていても刑事になっている状況が出てくることです。たぶん日本だとそういう人が刑事になるのは大変だと思うのですが、それに対する一つの答えもこのドラマにあります。

ネタバレはできませんが、一つだけ言いたいのは、主要人物や一つの警察のチームにいる人達がお互いを全く信用していないという異常な事態で、こんなのは本当なら、命令系統が機能しないし具合悪いと思うのですが、そんな人達がどんなふうに大きな事件を解決していくのかというところが面白いです。

犯人はけっこう複雑になっていますが、黒幕はまあ皆さんわかるかもしれません。

設定など、(新しく課長と因縁がある新人が入ってきてドラマが始まるなど)今までも見たような感じではあるのですが、ちょっといろいろ新しい感じがしました。ガンジュン君のアクションシーンがすごいです。いっつもケガしてます(笑)

とてもいいドラマでした。9点です。

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