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『LUCA:The Beginning』(少しネタバレあり)

キム・レウォン、イ・ダヒのSF大作。ザ・ビギニングというサブタイトル通り、とりあえず(と言っても波瀾万丈ですが)シーズン1ということです。


記憶喪失になっているキム・レウォンが自分の出自を発見していく所と、自分の親の事件を追っている女性刑事のイ・ダヒのヒリヒリするような危険な逃避行がメインという今までも見たようなクライム・サスペンス風かもしれませんが、新人類(?)というということがテーマでSFと言っても、遺伝子操作やクローンが秘密裏に進んでいそうな現代ではあまり荒唐無稽とも思えない話です。


SFというものは、何か現代と一つ違うことがあって、今と全く違う世界が繰り広げられるストーリーという説がありますが、この話は、人間の遺伝子操作に対する慎重な倫理観という今現在の社会で大切にされている(?)ものが無かったら・・・という所が一点違うところなのでしょう。


科学を偏重しているこのドラマに宗教も出てきます。利用される宗教ですが。マッド・サイエンティストはSFでよくあるキャラですが、アン・ネサンさんという私の好きな脇役さんが、天才科学者の役です。しかし、この人が言っていることはすべて間違っているとも思えないところが結構こわいです。キム・レウォンさん、でかいし、ダイエットしていて、顔が細くてごつごつしていて、モンスターっぽい時があるのですが、「(怪物を作った)フランケンシュタイン博士がモンスターなのか、怪物がモンスターなのか」という19世紀の名著『フランケンシュタイン』と同じ問いが出てきます。そして、強いモンスターはこの小説と同じくとても孤独です。


暗いSFが嫌いではない人はハマれると思います。イ・ダヒがナチュラルメークの刑事さんで体当たり演技という感じで頑張っています。

先が気になるエンディングなので、きっと続編は見ると思います。

主演2人はすごくいいのですが、悪役がちょっと類型的なので(役者さんはいいですが)

8点にします。


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