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『検索(恋愛)ワードを入力してください: WWW』

視聴後、(すみません、英語が使いたくなったのですが)Completely knocked out. という感想でした。感想ちょっと長いです。


(まず、日本のCS放送にあたり、原題が変わって、恋愛ワードとついたのですが、これ最悪・・・ラブストーリーも入っているよと主張したかったのでしょうか。「検索ワード」というものが、このドラマの中心なので、はずせないキーワードなのに・・・)


ドラマを見始めた当初は、いわゆる、アラフォーの女子たちの偽らざる日常とか、仕事と恋愛のリアルなエピソードとか言っておいて、ものすごくきらびやかで、赤裸々な「Sex and City」みたいなのだったらどうしよう。そういうのが一番好みじゃないなあと思っていたのですが、かなり違います。

デキル女子たちが20代頑張ってきて、今のステイタスになって40歳を迎える寸前なのだけど、そういう年だから、素敵な20代の男子は、「かなり年下」になっていて、そういう問題と、彼女たちが心血を注いでいるIT産業の会社の問題がメインです。


イム・スジョンというラブコメでは大御所(?)の女優の相手として(ウリ)チャン・ギヨン君が選ばれ、大女優のかわいい相手役としてあてがわれるのも俳優の一つの登竜門だから「なかなかいいやん」と思っていたのですが、そのかわいい役どころをちゃんとこなしています。今までのサイコパスとか不幸な役の時は、メーキャップのせいか、チャン・ギヨン君ってつり目だよねと思っていましたが、今回、あれ?そんなに目がつりあがってない!と思いました。優しいスマイルがすごく素敵です。


2つの競合しているポータル会社(Googleみたいな)のシーンが多いですが、もうおしゃれ~~~~~~!社内がカフェみたいです。それと真逆に問題は、インターネット上の「倫理とプライバシー」というすごくまじめな話。


あとは、久しぶりに(10年ぶりに)韓ドラの音楽がすごくいいと思いました。いいBGMや主題歌はもちろん時々あるのですが、このドラマは何度も流れるクラシック風のロマンチックな挿入曲も最初のクレジットが出るビートのきいたOST(これがすごくゴキゲンでダンサブルで、エレクトロニックな画像デザインとマッチしていて、毎回、最初の音楽を聴いてしまいました。いつもなら、そこは飛ばすのに)も、全部良かったのですが、何より、손 닿으면「手に触れると」という曲がすごーく良かったです。

韓ドラで、歌詞を覚えようと思ったのは、『アイリス』以来です。サビが素敵ですよ!


そして、このドラマのタイトル!けっこう意味不明ですよね。最終回で意味わかりますから。伏線や、キャラたちの過去や、会社の過去や、ITの歴史を含め「く~~~~~!」って言わせるところがたくさん。韓ドラって、また古そうで新しいジャンルを作ってくれたなと思います。最近の韓ドラのヒット作ジャンルは、ハイブリッドが主流で、ラブコメとサスペンスとかファンタジーと家族愛とか混ぜていて面白いものだと思うのですが、このドラマはちょっと違うと思います。20年前くらいからある、男女逆転的な(昔で言うならフェミニズム的な)ジャンルといえるかもしれません。昔なら、かっこいいオヤジの専売特許だった、仕事で疲弊していて、異性に癒しを求めていて、仲間や同性とのきずながオッサンズラブ的に深くて、家事がへたで、お金はすごく持っていて・・・・という姿を持った女性たちが主人公なのです。いい時代になったなと思わざるをえません。もちろん、だからこそ、この人達もとっても大変なんだけど、自己実現をどうやって探そう、ロールモデルとなる先輩をどうやって探そうなんて、以前の女性が悩んでいたことは一切無いのです。


 キャラとキャラの出会いもものすごく上手いし、もう「舌を巻く」ってこういうのだなと思いました。で、最初にknocked out と言ってしまいました。脚本家はなんと、これがデビュー作らしいです。ある意味デビュー作だからここまで作りこんだものになっているのかもしれません。10点満点作家キム・ウンスク(トッケビ、ミスターサンシャイン、太陽の末裔)さんの弟子というのはうなずけますね。

もっともっと語れそうな深いドラマです。10点つけます。

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