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『誰も知らない』

韓国ドラマは、最近ずっと脇役だった女優さんを主役にすえるというのがよく見られます。キム・ソヒョンさん、『パリの恋人』『がんばれ!クムスン』なんかの端役で、存在感がありましたが、ずっとなんとなく、きれいで目立つキャラクターだけど、不幸な人か悪い人というイメージでした。

台詞回しが独特と言うか、活舌が良くないタイプだったと思うのですが、それを克服(?)され、『SKYキャッスル』の入試コーディネーターの役で有名になりました。あれは、怖かったですね。

今回、広域捜査隊のチーム長というすごい肩書の役。スタイル抜群で男役さんみたいに短髪で薄いメーク。かっこいいけど、いろいろそぎ落とした感じでこわいくらいストイックな感じ。

『見た通りに話せ』の女性の刑事さんといで立ちとかは似ています。


韓国ドラマは、ちょっと前まで「家族は最高。家族のきずなが人間にとって一番大事」みたいなメッセージが多すぎだったのですが、ソウルが大都市化され(?)先進国化が進んだ韓国の人たちの関心事は、(特に女性が)一人で生きていく上で大切にすべきこと、みたいな問題意識。


というわけで、めだってきたテーマは、家族以外の人との縁、きずな。家族は逆に精神的に重たい存在だったりする・・・ まあ、欧米やたぶん、日本もそういうドラマは結構あるとは思います。


とはいえ、家族を大事にするキャラも登場しますが。リュ・ドクファン君!わーい、大好きな俳優さんです。あと10cm背が高かったら、トップスターでしょうけど、小さいから個性的なのですよね。イ・ボムスさんみたいに。


主人公の刑事さんと仲良しで、リュ・ドクファンが担任するクラスの中学生、アン・ジホ君という子役さん、???誰も知らない・・・・

見たことない子役さんですが、きっとどこかに出ていたのでしょう。とても上手い!とにかく、おばさんと呼んでいるこの刑事さんと中学生の仲良しぶりがいいですね。


それにしても、『美しい世界』『ミスター期間制』『誰も知らない』と学校で起こる犯罪(そして自殺)を軸にして、いろんな大人が右往左往する話が続いた気がします。

この3つでは、私は『美しい世界』が好きですが、視聴率も脚本の面白さも、この『誰も知らない』が一番なのでしょう。


ミステリ、サスペンスでは、悪い奴が多いなあ・・・権力の中枢は悪いやつばっかしやん・・・という流れが多いのですが、このドラマや『美しい世界』は、性善説。韓国の視聴者は厳しくて、リアルなドラマは、(ファンタジーじゃないんだから)厳しい現実を描くべきで、希望的観測みたいなぬるい視点だと批判されると思っていたのですが、日本も含め、自殺が社会問題となっている韓国では、大丈夫ですよ!世の中捨てたものじゃないよ、もし家族がひどい人たちでも、助けてくれる人はいっぱいいますよ。みたいなメッセージも気に入られるのかもしれないですね。

日本でも自殺と言わないで、自死と書くメディアがありましたが、上の3つのドラマでは「自分を傷つける」「極端な選択をする」などの表現を使っています。中高生への悪い影響に配慮しているのですね。


このドラマは、年間トップ10に入りそうです。9点にします。


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